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工務店選定のポイント

いくら設計が良くても造り手が・・・・

工務店に要求される一番の技術力は家造り力と見積力です

mitumorisyo.jpg■見積書工務店の選定は難しいものです。いろいろな社会のしがらみに左右されたり、限られた予算の中でどのようにすれば一番最適な工務店を選ぶことができるのか、多くの方が悩まれます。
コスト・予算が最優先しますが、それよりも本当に家造りの技術を持っているかどうかが重要です。その上で、コストをいかに適正に予算に収斂させるかが問題になるのですが、それには明快で合理的な見積もり書が必要です。そのためにも設計者が作成した、合理的にお金をはじける実施設計図面を理解でき、詳細な工事費内訳書の作れる技術レベルの工務店を選定したいものです。当然、腕の立つ良い職人を抱えていることが前提条件です。工務店に現場説明書と実施設計図の見積もり資料(資料1)を渡して3週間から4週間くらいで見積書(注2)を作成してもらいます。見積もり金額が予算を超えた時は調整作業が必要です。自分の場合、お預かりした予算をオーバーすることがよくあります。それは、設計作業の中で、より質の高い方向で設計を進めるため、ある程度仕方のないことで、建て主にはご心配をおかけしますが、最終的にはそれが建て主の利益につながるものと確信しています。当然、その後の調整のきく範囲ではありますが。そして調整の後、設計内容と工事費が建て主のご了解をいただければ、支払い条件などの確認をして工事請負契約書(注3)を工務店との間で締結します。このとき、設計者は契約締結方法や契約条件などの助言を行い、契約書には監理者として署名捺印します。
この契約時の条件で重要なことは、良質な木材を確保するということです。木造住宅は木材が命です。建材としての質の面から、また環境の面から適切に管理生産している産地の木材を、工事で使用することを明記することが重要です。特に、天然葉枯らし乾燥材を使うようにしています。
LinkIcon詳しくは

(注1)見積もり資料とは
①現場説明書:家づくりの工事に際しての条件を示したものです。
          支払い条件や、仮設関係の工事条件、協力工事業者の条件など
②実施設計図:正確な積算・見積もりができる図面であり、職人さんがものづくりで
          きる施工法・寸法などが記入された仕様書・図面で意匠図・構造図
          設備図など

(注2)見積書とは
   工事項目ごとに、どれくらいの費用がかかるのかを見積もりされたもの。
   同じ見積もり資料でも、工務店の力量・経営環境で金額のばらつきが出てき
   ます。だから、客観的な設計図の作成は重要です。

(注3)工事請負契約書とは
   工事発注者と工事請負者の二者間で取り交わす契約書(約款付き)です。お
   互いに信頼関係の中で、工事が進行し引き渡しを受けるのであれば問題あり
   ませんが、不幸にもトラブってしまった時に、登場するのが契約書と言えるもの
   です。付属の約款には、トラブル時の事柄が細かく記入されています。
   いろいろな書式がありますが、ハウスメーカーや工務店などの自社のオリジナ
   ルな書式の契約書は避け、なるべく社会にオーソライズされた契約書を選びま
   しょう。より、公平中立に中身がつくられているからです。どの契約書を使うの
   かは建て主の判断であり、決めることです。 

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三位一体の相互理解・信頼

sanmiittai.jpg■三位一体の家づくり


『良い住まい造り』のポイントは『建て主』、『工務店』、『設計者』の三位一体、つまり三者間の相互理解・信頼関係を築くことだと私は考えます。
そのためには、相互のコミュニケーションの取り方が重要です。
つまり、

■建て主-設計者■

→→→建て主は自分たちの希望条件を本音で設計者に伝える。
         設計者は計画内容を建て主に分かりやすく充分に伝えること。
■設計者-工務店■

→→→設計者は工事と積算が正確に行える図面を工務店に示すこと。
         工務店は設計仕様に基づき、各工事を詳細に積算・見積もりすること。
         そして、お互いに家づくりの技術の研鑽に励むこと。
■工務店-建て主■

→→→工務店は分かりやすく合理的な見積書を建て主に提出すること。
         建て主は金銭処理を見積書・契約書に基づいて合理的に処理すること。

この上記の関係が重要なのです。  

見積もりの依頼の方法

koujikeiyakusyo.jpg■工事請負契約書見積もりを依頼する工務店はどうするのでしょうか。
いろいろな方法があるでしょうが、自分の場合には次のようにしています。
まず建て主の意中の工務店があれば、そこに見積もりをお願いいたします。それがない場合は、設計者推薦として、工務店の技術レベルや職人の技術レベルなどを、これまでの自分の経験とネットワークの中から判断して、一社、推薦させていただきます。そして、建て主に支払い条件などを提示してもらい、その工務店に見積もりをしていただきます。見積もりが出てきたら、工事費の確認・調整をして、建て主・工務店・設計者の3者が合意すれば、工事請負契約締結のステップに移ります。しかし、建て主がその工務店の体制・技術力や見積もりにご不満なときは、別な工務店を選んでもらい、新たにそこに見積もりをお願いします。見積もり作業は、かなり手間のかかる作業、能力も必要な作業で、簡単に出来るものではありません。建築業界では見積もり無料の慣習(非近代的な慣習と言ってもいいかもしれません)がありますが、それは簡単な工事のものか責任を持たないで良い程度のものと考えた方がよいでしょう。建て主が本当に適正なコストを判断するのであれば、それなりの経費がかかることを念頭において、工務店に見積もりを依頼しなければなりません。それでも負担を掛けることに変わりはありません。受注工務店には不要だとしても、それ以外への工務店へは、見積もり謝礼を支払われるのも一つの方法・マナーではないでしょうか。


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