所在地:福岡県遠賀郡芦屋町大字山鹿1558-3 電話:093-223-5881
用 途 :資料館・復元工房・茶室
構造・規模:木造平屋、敷地面積15,085㎡
設計チーム:構想・監修-片野 博、総合-酒井信治(協和コンサルタンツ)、土木-市丸茂樹(協和コンサルタンツ)
建築-土公純一・柴田 勝・林隆一郎・卯野木稔、造園-中山 寛
施 工:㈱溝江建設 撮影:豊田敏哉
竣 工:1995年
特 徴:本施設は、鎌倉・室町時代に制作された国指定の文化財、芦屋釜を記念するテーマパークであり、地域のアイデンティティを凝縮した日本庭園の中に建物群を配置し、多くの人々が茶の湯に親しめるような場を提供することを目的としている。建物は大小茶室、芦屋釜復元工房、立礼席、資料館等から構成され、これらの集合化が集落の雰囲気を醸し出すように広場を中心に配置され、かつ建物の外部空間(ネガスペース)が庭園との連続的な一体性を確保するように計画されている。各建築は庭園景観との融合を図るため木造平屋建であり、本計画の実施により設計施工及び各種技能者による伝統構法再発見が意図された。さらに我が国の伝統木造建築のよさをディテール(これに関する多様な工法を使用している)を含め、この分野の専門家のみならず、学生・生徒や一般市民に理解してもらうことも目的としている。
このような意義も含めて、本施設内にある9つの門、また日本庭園にあっても様々な伝統的手法を用いている。
周辺環境との調和では、伝統構法による土塀を道路際に、又、街路樹は黒松を配置し、その奥に甍の波、さらに背景となる照葉樹林が外部から観察されるなどの点に留意し、失われ行く自然景観確保を主題としている。